シカゴでの忘れられない一日 ― RAMEN EXPO USAでの畳PRと伝統産業のお話

今から6年前、アメリカ・シカゴにある在シカゴ日本国総領事公邸にて、
私にとって忘れられない大きな経験をさせていただきました。

その日は「RAMEN EXPO USA🇺🇸」のプロモーションイベント。
ラーメンという日本を代表する食文化を広める場に、私はゲストとして招かれ、日本の畳のPRを担当しました。

畳のPRと伝統の継承

今回の機会では、ただ畳の魅力を紹介するだけではなく、青柳畳店の五代目を共に連れて登壇しました。畳という日本の伝統文化を世界に伝えることに加え、その裏にある「伝統産業の後継者問題」についてもお話をさせていただいたのです。
近年、日本の伝統的なものづくりの現場は、職人の高齢化や後継者不足という大きな課題に直面しています。青柳畳店の五代目の存在は、まさにその課題に立ち向かい、新しい世代が文化を引き継いでいく姿の象徴でした。その姿を紹介しながら、日本文化を次の時代へどう残していくのかを考えるきっかけを、多くの方に持っていただけたと感じています。

天皇陛下のお写真と日米の国旗を背に

スピーチを行った会場の背景には、日本国天皇陛下のお写真が掲げられ、さらに日米両国の国旗が並んでいました。その場に立った瞬間、言葉にできないほどの緊張と責任の重さを感じました。
自分の言葉が、日本という国を背負い、伝統文化を代表して発せられる――その意識が胸にずっしりとのしかかり、一つひとつの言葉を丁寧に選びながら話したことを覚えています。あの光景と空気感は、今も鮮明に心に残っています。

国境を越えて伝わる文化

畳の香りや手触りは、日本人にとってはどこか懐かしく安心できるものですが、海外の方にとってはとても新鮮でユニークな体験だったようです。イベント当日も、多くの方が興味深そうに畳を触れたり質問をしてくださり、文化の違いを超えて人と人とがつながっていく瞬間を実感しました。
また、後継者問題というテーマに関しても、どの国においても伝統を守るための課題は共通していることから、多くの方々が深く共感してくださったように感じます。

貴重な経験への感謝

あの日は、私自身にとっても大きな学びと成長の一日でした。畳を通して日本文化を発信すること、そして伝統を未来へどうつなげていくのかを語ることの重みを強く感じました。
改めて、このような機会を与えてくださった関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

これからも日本の伝統文化を大切にしながら、未来へと受け継ぐ活動を続けていきたいと思います。